Laputa Financial Report 2022
ラピュータ金融レポート 2022
1.【2022年の世界における国際政治の縮図】
米国と中国の対立は、EU、アジア・オセアニアを巻き込み、世界を震撼させることにもなりかねません。 中国では、習近平独裁体制は香港やウイグルなどでの弾圧を強め、毛沢東路線への回帰を明確にし、民間企業、富裕層叩きをも進め始めました。中国経済を世界第二位まで引き上げた鄧小平、胡錦濤、江沢民による改革開放政策(路線)からの逆行であり、反発する政治局員も出て来ており、中国共産党の国家資本主義に慣れた中国国民からの反発も当然予想されます。 また、米国では、米国民の25%がトランプ元大統領の出馬を期待しているとの統計も出ています。バイデン政権はアフガニスタンにおける失政もあり、求心力が急減しています。歴史的にも中国をサポートしてきたのが米国民主党政権であり、弱気に見えるバイデン大統領は裏で中国と経済的な絆を維持しているにも関わらず(「一つの中国」を認めている)、表面的には中国に対して強硬な姿勢を示し、米国民からの求心力を取り戻そうとしているのではと勘繰りたくなります。しかし、逆に、本気度が少ない中で、その強硬策によって踊らされるとなると、同じ対立軸で対抗せざるを得ない同盟国のイギリス・カナダ・オーストラリア、欧州同盟諸国、日本を含めたアジア諸国はたまったものではありません。 決してあってはなりませんが、日本にとっての懸念は米国と中国による世界の二分化であり、米国と中国の手打ちです。そうなると、地政学的には日本は共産主義国家の中国サイドにつかなくてはならない状況におかれます。 米国と中国による世界の二分化(EU、ロシア、発展途上国等)が世界を巻き込み、中国とロシアが組んだロシアのウクライナ侵攻、中国の台湾侵攻の示唆などは偶然の出来事ではなく、中国とロシアが「敵の敵は味方」と手を組んで、欧米NATO参加諸国に対抗している図式が垣間見えます。米国と中国の対立・二分化は、安全保障面だけでなく、また米国が離脱した「TPP(環太平洋パートナーシップ)」、中国の「一帯一路構想」など、世界の経済面でも大きな影響を与えることになります。もちろん中国に依存している日本経済には計り知れない影響を与えます。 その中で、岸田日本はどの位置に立つのかが注目されています。今年の年頭所感では、経済的には「新しい資本主義」「成長と分配」、外交的には「新時代リアリズム(したたかにとの言葉を使ったが)」を掲げた岸田首相を見ると、日本をどこに向かわせるつもりなのか、不安に感じたのは私だけではないと思います。親中派の林芳正氏を外務大臣に就けたことをみても、米国と中国を天秤にかけて、分不相応な上から目線の戦略なのか(世界最強の米国と駆け引きするのは馬鹿げている)、もしくは首相の優柔不断さから来るのかはわかりませんが、この年頭所感は中国がほくそ笑む一方で、同盟国米国の怒りを買うことは想像に容易いと思います。今後の岸田政権の動向を見守りたいと思います。 インデックスへ 戻る (弊社お客さまは、前のウィンドウの、お客さま専用インデックスページにお戻りいただき、つぎのページへお進みください。)
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